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医学科

大学院保健衛生学研究科 小児・家族発達看護学分野 佐藤 伊織教授 就任挨拶

佐藤伊織教授

ご挨拶
 2025年4月より、大学院保健衛生学研究科 小児・家族発達看護学分野の教授に着任いたしました。小児・家族発達看護学分野は、小児看護学と家族看護学の教育・研究を行う分野であり、平成13年に現在の名称となりました。両学問分野の科学的な発展および臨床・社会への実装を目指していきたいと思います。

 小児看護学には長い伝統があり、発達と成育に関する多くの知見・理論が積み重なっていますが、時代とともにその焦点は変化しています。未曾有の少子社会において、ひとりひとりのこどもがその子らしく成長発達し、疾患や障害があってもそれとともに健やかに「大人」へなっていくことを支えていきます。
家族看護学は、看護学の学問分野の中では比較的新しい分野であり、日本家族看護学会や国際家族看護学会 (International Family Nursing Association) も30周年を過ぎたところです。その間にも家族は多様化し、伝統的な家族観も変容してきました。家族看護学は、家族を患者の背景としてでなく、一単位の看護の対象として扱います。個人(患者・ひとりひとりの家族員)のみならず家族全体をひとつのシステムとして捉え、家族療法や家族社会学など他の学問分野とも学際的に協働しながら、家族の中で何が起きているのか、どうすればよいかを考えていきます。

 私たち小児・家族発達看護学分野では、主にこどもを持つ家族を中心に、家族全体のwell-beingとwell-functioningを高めることを目指して、研究に取り組んでいく所存です。これまでの経験から、疾患領域として小児がん・脳腫瘍、糖尿病等の慢性疾患、低出生体重児、医療的ケア児/者、(重症心身)障害児/者等をとりあげたり、疾患横断的に家族ライフサイクル、親子関係、夫婦関係、育児不安・介護負担、家事分担、移行支援・長期フォローアップといった領域を追求していきます。
家族という複雑系を対象とする科学には、さらなる異分野連携・融合も必要です。例えば、家族の中での親子や夫婦のずれが家族の機能に与える影響を明らかにするため、複数の家族員から得られるデータをどのように取り扱うか、そして、それを誰にどのようにフィードバックすることが、家族の最大限の力の発揮に繋がるのかを、開発していきます。

 こどもたちの未来と科学の発展を通じて、本学の発展に力を尽くしてまいります。
皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

大学院保健衛生学研究科 小児・家族発達看護学分野 教授 佐藤 伊織