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医学科

大学院医歯学総合研究科 医療安全管理学分野 工藤 篤 教授 就任挨拶

工藤 篤教授

ご挨拶
 2024年6月1日付で、医歯学総合研究科 医療安全管理学分野の初代教授に就任しました。医療安全管理学は病院運営に必須であり、今後、ますます需要が高まっていくため、自分に課された使命を非常に重く受け止めております。

 私はこれまでほぼ全身の重要臓器の診療に従事してきました。1994年に本学医学部医学科を卒業後、鈴木章夫名誉教授の胸部外科で心臓、肺の手術と全身管理、一般外科研修では、麻酔管理、食道、胃、大腸、乳腺、血管の手術を学びました。2000年からは当院の肝胆膵外科で肝臓、胆道、膵臓の手術を学び、2012年には肝胆膵外科高度技能専門医を取得し、日本初の膵神経内分泌腫瘍(NET)の専門外来では全国から集まる患者の治療のセカンドオピニオンを行いました。

 こうした経験を背景に2015年にリスクマネージャー、2017年にジェネラルリスクマネージャー、2019年から医療安全管理部長を拝命し、病院経営人材養成コースで医療政策や病院管理を学びました。学外では、2018年に国立大学病院の相互ピアレビューと相互チェックの委員に選出され、国立大学附属病院医療安全管理協議会の医療安全指標運営ワーキンググループ長、国立大学附属病院医療安全管理協議会の幹事、東京地方裁判所の医科幹事、最高裁判所の司法研修所の講師を行いました。

 研究では2000年に博士課程に進学し、肝臓の生理学、肝移植、網羅的遺伝子解析、バイオインフォマティクスの研究、Deep learningを用いた病理組織診断の研究、肝細胞癌や神経内分泌腫瘍の臨床研究に従事しました。手術の質を測定するために開発し始めた医療安全指標は現在までに109指標に至り、全国の国立大学病院で測定が開始されています。臨床現場における音声文字変換AIモデルの開発やハイブリッド型眼球運動解析を用いた医療行為の解析などを東京工業大学や本学難治疾患研究所とともに開発してまいります。

 医療安全管理学分野では、優れた医療安全管理の専門家の育成を目指すとともに、本学の臨床レベルの向上にも貢献していきたいと思います。

大学院医歯学総合研究科 医療安全管理学分野 教授 工藤 篤