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医学科

大学院医歯学総合研究科 ウイルス制御学分野 白銀 勇太 教授 就任挨拶

白銀 勇太教授

ご挨拶
 2024年5月1日付で、東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 ウイルス制御学分野の教授に着任いたしました白銀勇太と申します。

 私は2013年に九州大学医学部医学科・MD-PhDコースを卒業し、研究者としてのキャリアをスタートいたしました。MD-PhDコースとは、一般的な医学部の課程(6年)に加えて、さらに大学院博士課程(3~4年)で研究を行うことにより、卒業時にMD(医学士)とPhD(博士)の両方を取得することができるカリキュラムのことです。私は本コースで医学研究の基礎を学び、その時にできた土台は現在でも私を支えています。東京医科歯科大学にも、MD-PhDコースを含めた様々な次世代研究者養成プログラムがあり、今後、多くの学生と共に研究に取り組むことを楽しみにしております。

 大学卒業後は、国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)に2年間勤務し、初期臨床研修を修了しました。その後、基礎医学研究者として、国立感染症研究所・研究員(東京都武蔵村山市)、カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学、九州大学・助教および講師(福岡県福岡市)などの機会をいただき、ウイルスの病原性(ウイルスがなぜ病気を起こすのか?)を支配するメカニズムの解明や、欠陥ウイルスを用いた新しい抗ウイルス薬の開発に取り組んでまいりました。

 細菌やウイルスなど病原微生物による感染症の流行は、古くから人類に大きな影響を与えてきました。また、近年のCOVID-19の世界的大流行(パンデミック)は、私たちにまだまだ多くの課題が残されていることを教えてくれました。しかしながら、人類はこれまで、いかに困難の時にあっても、科学と共に歩み、病原体の理解を深め、公衆衛生を発達させ、抗生物質、抗ウイルス薬、ワクチン等を開発することで、一つ一つ感染症の諸問題を解決してきたことを忘れてはなりません。

 本分野は、ウイルス病原性の基盤解明という重要な研究テーマに焦点を当て、「人類社会がいかに感染症と向き合うべきか」を議論する際のベースとなる知見の蓄積に貢献いたします。また、得られた研究成果を基に、抗ウイルス薬やワクチンの開発に取り組み、ウイルス感染症の制御に応用していきたいと考えております。その過程で、次世代を担うウイルス学研究者を育成し、科学の歴史を未来につないでいくことが私たちの使命です。

 どうか、皆さまのご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

大学院医歯学総合研究科 ウイルス制御学分野 教授 白銀 勇太