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医学科

大学院医歯学総合研究科 整形外科学分野 吉井 俊貴 教授 就任挨拶

吉井俊貴教授

ご挨拶
 この度、2023年8月1日付で東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外科学分野の教授を拝命いたしましたので、ご挨拶申し上げます。本分野は、診療科としては運動器外科学分野と共同して“整形外科”を担当し、脊椎、膝、スポーツ、上肢、股関節、外傷、小児、腫瘍など全ての整形外科領域において、専門性の高い治療を行っております。私自身は、四宮謙一名誉教授、大川淳名誉教授の教えを受け、脊椎外科を専門に治療を行ってまいりました。脊椎領域では、特に靭帯骨化症の患者数は全国随一で、適切な術式選択を行ったのち、除圧術や前方/後方の固定術を行っています。また変形脊椎に対しても、矯正固定術を積極的に行い、脊髄腫瘍に対しては、モニタリング下に安全な摘出術を行ってきました。また高齢化社会に伴って増加する下肢の変形性膝関節症と変形性股関節症に対しては、早期に除痛と日常生活動作を獲得できるように人工関節置換術を行い、良好な治療成績を得ています。若年者や比較的変性の程度が軽い方に対しては、関節温存手術である骨切り手術を行っています。さらにスポーツによる肩・膝関節の障害に対しての治療も得意としており、多くのスポーツ選手の手術を行い、競技復帰をサポートしております。今後も、これら運動器疾患の幅広いニーズに対して、最適の治療を提供し、社会に貢献していきたいと考えております。
 また、私たちは、これら運動器疾患に対する治療をさらに進化させるため、骨・軟骨、関節、腱、靭帯、筋などの骨格系や、脊髄、末梢神経などの神経系に関して、広範囲にわたる基礎的研究も行っております。特に、臨床に直結するような脊椎・関節の運動機能の再建、再生医学的手法に関する研究、人工材料や人工関節の開発、生体力学的研究、疼痛の制御に関する研究などに注力してきました。今後は、学内の基礎研究教室との、さらなる連携強化に加え、東京工業大学との合併を見据えて、医工連携にも力を入れ、未来の整形外科治療に役立つ生体材料・機器の開発も行っていきたいと思います。また、‘東京科学大学’の将来を担うにふさわしい、国際的に通用するSurgeon scientistの育成も行っていきたいと考えております。
 甚だ微力ではございますが、東京医科歯科大学、さらには東京科学大学の発展に精一杯、力を尽くす所存でございますので、ご指導・ご鞭撻を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

大学院医歯学総合研究科 整形外科学分野 教授 吉井 俊貴