
ご挨拶
JR御茶ノ水駅を見下ろすことができるMDタワー14階に2022年4月1日付で赴任しました。総合診療医(当時は総合臨床医と言われていました)になりたくて防衛医大に入校し、早40年が過ぎました。永らく防衛省にて医官として勤務しました。2000年、神戸大学総合診療部創設と同時に准教授として赴任しました。2009年からは兵庫県の寄付講座、神戸大学大学院医学研究科プライマリ・ケア医学特命教授として勤務しました。およそ15年間を関西、神戸の地で過ごし、7年前の2015年、埼玉医大総合診療内科教授として埼玉の地に戻りました。そして今回縁あって東京医科歯科大学に異動となりました。
30年前には総合診療と言う専門に進む医師は極めて限られていました。時は流れ2017年には第19番目の基本専門領域として総合診療専門医が認定されるまでになり、昨年その修了者が世に出ました。誠に嬉しい限りです。私自身は当時日本で総合診療専門医コースが無かったため、米国Pittsburgh大学で3年間のFamily Practice Residencyでトレーニングを受けました。留学中困ったのは、やはり英語でのコミュニケーションです。数々の英語での失敗を重ねました。これらの経験のお蔭で、旅行で外国のハンバーガー店舗に入っても大きな声で、
「ビーエルティ、アリトビマスタ プリ。」
と言い、ベーコン、レタス、トマトとほんの少しのマスタードが入ったハンバーガーをオーダーできるようになりました。3年間の留学の成果はこれだけではありませんので、あしからず。”B(bacon), L(lettuce), T(tomato), a little bit mustard, please!”
米国留学後には国連P.K.O.活動としてアフリカのモザンビークに派遣され、7ヶ月という短い期間ですが亜熱帯地域での医療活動経験もあります。モザンビークから帰国後東大老年病科で客員研究員として臨床研究に専念し、女性ホルモンと動脈硬化の研究を行いました。神戸大学と埼玉医大では学外活動として長年バドミントン部に部員(顧問や部長ではなく)として参加しました。ここ医科歯科大御茶ノ水キャンパスではバドミントンのできる体育館が無いのが寂しいですが、、、。
広く国民が安心できる医療を提供できる総合診療医「Generalと言う名のSpecialist」を養成し、尚且つ広くEBMに使われるような臨床のevidenceを研究成果として発信してゆく所存です。