
ご挨拶
この度、令和3年4月1日付けで東京医科歯科大学医歯学総合研究科血液内科に教授として着任いたしました。私は、平成5年に慶應義塾大学医学部を卒業し、慶應義塾大学医学部血液内科に入局し、これまで造血幹細胞移植を含め幅広く血液内科学の診療・研究に携わってまいりました。私が医学部を卒業した当時は、造血幹細胞移植は解決すべき問題点が数多くある治療法でしたが、通常の治療では治らない治療抵抗性の白血病を治癒させるその未知・無限の力に魅せられ、造血幹細胞移植の専門医を目指しました。その中で臨床腫瘍学、患者・ドナー細胞間での同種免疫反応の制御、抗腫瘍薬や全身放射線照射による臓器毒性、免疫不全下の感染症などの管理を学び、様々な研究も行い、移植成績の向上に努めてまいりました。そこでは、血液内科以外の多くの診療科・部門の専門家と連携したチーム医療を実践し、専門家集団による質の高い医療が提供できるように努めてまいりました。また基礎医学の専門家の先生方と連携し、臨床に直結する多くの基礎および臨床研究にも携わってまいりました。
現在の血液内科領域では化学療法、分子標的薬、免疫抑制療法、CAR-T療法など多くの新規治療薬が次々に導入されてきております。また開発中の薬剤も数多くございます。これらの新しい治療法を積極的に導入し、最先端の質の高い医療が提供できる体制を構築していく所存です。また造血器腫瘍の病態解明や新たな治療法開発のための基礎研究を実施する体制も充実させ、research mindを持った優れた専門医、physician scientistの育成にも努めてまいります。
ご指導、ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。