
ご挨拶
2020年5月1日付けで運動器外科学分野教授を拝命しました、古賀英之と申します。私は、医学部学生の時には神経に興味があり、脳神経外科、神経内科と迷った末に脊椎脊髄外科を志望し本学整形外科に入局しましたが、臨床研修時にスポーツ整形外科に多く触れる機会を持ったことがきっかけでその道を志すようになりました。臨床研修後は間葉幹細胞を用いた関節軟骨再生に関する基礎研究に従事し学位を取得しましたが、スポーツ整形外科への強い思いからNorwayのOslo Sports Trauma Research Centerへ留学し、スポーツ外傷、特に膝前十字靭帯損傷の予防に関する研究に携わる機会を得ました。帰国後は本学運動器外科学にてスポーツ外傷の予防に関する研究を継続するとともに、膝関節外科・スポーツ整形外科の臨床に従事し、膝前十字靭帯や半月板のバイオメカニクス研究や多くの臨床研究を行ってまいりました。この度運動器外科学分野教授に着任するにあたり、これまで培ってきた経験をもとに、臨床に直結する基礎研究、臨床研究、多くの国際共同研究を行い、その成果を実際の診療に還元していきたいと考えております。
運動器外科は診療科としては医学部整形外科として、関節系整形外科の専門的治療を担っています。スポーツ外傷の治療、関節鏡手術、変形性関節症に対する治療、人工関節置換術などを中心に行い、患者様の生活の質を改善することを目的としています。中でも、若年アスリートのスポーツ外傷に対してはその予防および治療におけるスポーツへの早期かつ確実な復帰を、変形性関節症に対しては高齢化社会における健康寿命の延伸という観点から関節温存手術と再生医療の組み合わせによる変形性関節症の予防を目指して臨床、研究に取り組んでいます。これらの取り組みにより、世界のスポーツ医学・関節外科分野において運動器外科学分野が重要な役割を果たせることを今後の目標といたしますので、何卒よろしくお願いいたします。