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医学科

大学院医歯学総合研究科 医療政策情報学分野 教授 伏見 清秀 教授就任挨拶

伏見 清秀教授就任挨拶

ご挨拶
 このたび、平成31年3月1日付で医療政策情報学分野・教授を拝命いたしました伏見清秀と申します。何卒よろしくお願い申し上げます。 私は昭和60年に本学医学部を卒業し、武内重五郎教授の主宰する第二内科に入局し、その後、腎臓研究室にて、故丸茂文昭教授と佐々木成教授のご指導の下、腎臓内科学の研鑽を積むとともに腎臓生理学の研究を進めました。昭和63年から3年間米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校ヴァークマン教授の下では、生物物理学や画像解析など学際領域の研究の経験もさせていただきました。帰国後の平成4年にアクアポリン2水チャネルを見つけた時の感動は、今でも昨日の事のように覚えています。臨床医学、基礎医学ともに最先端の経験を積ませていただけたことは、現在でも私の宝で、心底より感謝申し上げます。その後、高瀬教授のご推薦で厚生省(現厚生労働省)に2年間ほど出向させていただき、医療行政に携わりました。大学との人事交流第1号でしたが、我が国の医療制度の根幹を知り視野を広げる機会となり、その後多くの方が本学や他大学からも続いています。本学に戻ってからは、医療政策研究を進め、特に、我が国の急性期病院に対するDPC包括評価の制度設計に継続して携わっています。医療データ、統計データの分析を駆使しながら制度を作っていく面白さは、自然科学研究とは別物ですが、基礎医学、臨床医学で教わった科学的思考力が社会医学に活かされていると感じます。
  大学院教育では平成12年から医療政策情報学分野(旧医療情報システム学分野)を担当し、health services research(医療サービス研究)に取り組んでいます。この学問領域は我が国ではなじみが薄いですが、欧米では医療を科学的に評価する領域として確立し、医療政策の科学的根拠を提供しています。平成22年には特別研究教授を拝命し、学内外の多くの研究者の方々と共同で大規模医療データベースを活用した医療政策研究や臨床疫学研究の分野の開拓も進めてきました。医療制度の違いからアクセプトが難しかった国際専門誌への発表も増え、この分野を担う人材の育成に努めています。平成27年からは附属病院のクオリティマネジメントセンター長として、医療データ分析の研究成果を医療の質評価等の形で臨床へ還元する試みを続けています。
 今後、教育、研究、診療の分野で、本学のより一層の発展に向けてさらに努力させていただく所存です。更なるご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

大学院医歯学総合研究科 医療政策情報学分野 教授 伏見 清秀