私たちの教室では、教室員がその素質を十分に伸ばし、将来、それぞれの道で社会に貢献する高いポジションを得て活躍できるよう、『世界レベルの、日本をリードするUrologist 』の育成を目標にして、日々全員で切磋琢磨しています。
臨床では、患者さんに役立つ世界的新医療の開発・実践に取り組んでいます。当科で開発されたミニマム創内視鏡下手術は「ガスを使わず、経済的で、質の高い低侵襲手術」として世界に認知される低侵襲手術へ発展しています。海外にはgasless single-port surgeryとして紹介し、欧州泌尿器科学会や米国泌尿器科学会において、多数のbest poster presentation、Cancer部門の3rd Prize受賞、Video部門の2nd Prize受賞と高い評価を受けています。3D head-mounted displayを用いた次世代のロボット手術への開発、洗練も進めています。
また、MRI+前立腺標的生検（重要な癌を見逃さない、コンパクトな生検法）、浸潤性膀胱癌に対する低侵襲根治的膀胱温存療法、腎癌の無阻血・ガスレス・シングルポート・腎部分切除術（腎血流を保ち最大限の腎機能保持を図る）、前立腺癌の部分治療法（機能を温存する新たな低侵襲部分治療）、抗菌薬過剰使用回避法の開発（耐性菌の防止）、筋層非浸潤膀胱癌の再発・進展予測モデル、小径腎腫瘍における血管筋脂肪腫予測モデル、進行腎癌のI-CCA療法（QOLを維持した長期生存を図る）などがあり、国内・海外の学会で評価（受賞）を受けています。
医師の研究は臨床に役立つことが最終目的です。スタッフ全員参加のカンファレンスで自由に意見を出し合い討議することが、臨床から生まれる課題のピックアップおよび研究題目の設定につながっています。また、国際化への対応として、英語でのディスカッションを積極的に導入するとともに、米国Cleveland cliinc、国立がん研究センター中央病院をはじめ国内外の一流の施設へ教室員を派遣し、世界トップレベルの研究を、教室の研究に組み込んでいます。臨床の知識を常に世界レベルにupdateする習慣を身につけることや、学会発表の仕方を習得することも大切ですので、若い時期から海外・国内の主要な学会で発表しています。 一流施設での豊かな実りある経験を生かして、直近の国民病とも言える泌尿器疾患に立ち向かう、「優れた良きUrologist」に、是非なって頂きたいと思います。「世界をリードする泌尿器科医になる」これが私たちの大きな目標です。
頭部装着型立体画像装置を用いたミニマム創内視鏡下手術
ミニマム創内視鏡下根治的腎摘除術（3cmのシングルポート手術）
膀胱癌の幹細胞を標的とした新規治療の研究
Kihara K, Koga F, Fujii Y, Masuda H, Tatokoro M, Yokoyama M, Matsuoka Y, Numao N, Ishioka J, Saito K. Gasless laparoendoscopic single-port clampless sutureless partial nephrectomy for peripheral renal tumors: perioperative outcomes. Int J Urol. 2015;22:349-55.
Kobayashi S, Fujii Y, Koga F, Yokoyama M, Ishioka J, Matsuoka Y, Numao N, Saito K, Masuda H, Kihara K. Impact of bladder neck involvement on progression in patients with primary non-muscle invasive bladder cancer: a prospective validation study. Urol Oncol. 2014;38.e29-36.
Matsuoka Y, Numao N, Saito K, Tanaka H, Kumagai J, Yoshida S, Koga F, Masuda H, Kawakami S, Fujii Y, Kihara K. Combination of diffusion-weighted magnetic resonance imaging and extended prostate biopsy predicts lobes without significant cancer: application in patient selection for hemiablative focal therapy. Eur Urol. 2014;65:186-92.
Yoshida S, Tsutsumi S, Muhlebach G, Sourbier C, Lee MJ, Lee S, Vartholomaiou E, Tatokoro M, Beebe K, Miyajima N, Mohney RP, Chen Y, Hasumi H, Xu W, Fukushima H, Nakamura K, Koga F, Kihara K, Trepel J, Picard D, Neckers L. Molecular chaperone TRAP1 regulates a metabolic switch between mitochondrial respiration and aerobic glycolysis. Proc Natl Acad Sci U S A. 2013;110:E1604-12.
Koga F, Kihara K, Yoshida S, Yokoyama M, Saito K, Masuda H, Fujii Y, Kawakami S. Selective bladder-sparing protocol consisting of induction low-dose chemoradiotherapy plus partial cystectomy with pelvic lymph node dissection against muscle-invasive bladder cancer: oncological outcomes of the initial 46 patients. BJU Int. 2012;109:860-6.
