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保健衛生学科

大学院医歯学総合研究科分子病原体検査学分野 齋藤 良一 教授 就任挨拶

齋藤 良一 教授就任挨拶

ご挨拶
 2020年7月16日付けで分子病原体検査学分野教授を拝命しました、齋藤良一と申します。私は、本学の検査技術学専攻在籍時に触れた細菌プラスミドの構造解析に関する基礎研究を通して細菌学に興味を持ちました。大学卒業後は、東京大学医学部附属病院で臨床検査技師として微生物検査や感染防止対策活動に従事するとともに、細菌の薬剤耐性化に関する研究で博士(保健学)の学位を取得しました。国立感染症研究所に異動後は、百日咳菌の病原性発現に関する研究やワクチン国家検定・行政検査などにも従事し、その後、本学大学院保健衛生学研究科生体防御検査学分野に異動してからは、様々な病原細菌の薬剤耐性・病原性に関わる研究を継続して行ってまいりました。またこの間、米国オレゴン州立大学へ留学する機会をいただき、食中毒等を惹起するウエルシュ菌の緊縮応答に関わる分子基盤を解明しました。現在は、上記の基礎研究に加え、本学医学部附属病院の感染制御部員を兼務し、感染防止対策の基盤情報となる病原体の分子疫学解析や抗菌薬併用療法に関わる薬剤感受性試験等も実施しております。その他、本学ガーナ感染症研究拠点にて薬剤耐性菌研究を行いながら、他大学の国際感染症研究拠点研究者らとともに、地球規模での薬剤耐性菌の伝播拡散と進化過程を解明する研究にも取り組んでおります。今後は、多分野と協働することでより独創的な研究を推進し、細菌学や感染症学の発展に貢献したいと考えております。
 また、医療施設で実施される微生物検査は、遺伝子解析等の基盤技術の発展とともに進化しておりますが、非培養病原体を含む網羅的な病原体情報と薬剤耐性因子の情報を包括的に解析する手法は、感染症の診断や治療により一層貢献できる可能性があります。このような、生体検査科学系の特色を出した臨床検査の技術革新に繋がる研究も活性化したいと考えております。
 さらに、上記の研究を展開する上で基盤となる教育も充実化して、国際的・学際的視点から関連領域の教育・研究を展開できる優れた臨床検査技師や研究者の育成にも力を注ぎたいと思います。今後とも一層のご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。

大学院医歯学総合研究科分子病原体検査学分野 教授 齋藤良一