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医学科

大学院医歯学総合研究科 分子内分泌代謝学分野 山田哲也教授就任挨拶

山田哲也教授就任挨拶

就任のご挨拶

 

平成30年4月1日付けで分子内分泌代謝学分野教授(医学部附属病院 糖尿病・内分泌・代謝内科 科長)を拝命致しました山田哲也と申します。 何卒宜しくお願い申し上げます。私は平成8年に山口大学を卒業し、岡芳知教授の主宰する同大の第三内科に入局致しました。入局後は医学部附属病院第三内科、山口県立中央病院で糖尿病・内分泌、血液・免疫疾患を中心に研修を行ないました。その後、平成10年から東京大学第三内科(当時)に国内留学し、細胞内インスリンシグナルの伝達機構の解明に取り組み学位を取得しました。平成15年、岡教授の東北大学へ異動に伴い分子代謝病態学分野(現 糖尿病代謝内科学分野(片桐秀樹教授))に赴任致しました。赴任後は大学院時代に行なった細胞レベルでの研究経験を生かして個体レベルでの糖代謝や体重の調節機構の解明に取り組みました。その中で自律神経ネットワークによる臓器連関が、個体レベルでの糖・エネルギー代謝調節に重要な役割を担っていることの一端を明らかにすることができました。最近では、臓器・細胞連関の観点からの膵β細胞の再生やインスリン分泌促進機構の解明にも取り組んでいます。また、東北大学病院糖尿病代謝科に在職中は、初診を含む4日/週の外来と病棟医長、副科長を勤め、多くの診療経験も積んで参りました。

ご承知のように、我が国は未曾有の高齢社会を迎えつつありますが、それに伴い糖尿病患者数も1000万人を超えてきております。また、70歳以上の国民の30%超が糖尿病もしくはその予備群であることも明らかとなっています。さらに、過食や運動不足による肥満症の増加も看過できない社会問題となっています。これらの疾患は、種々の合併症を引き起こすばかりでなく、罹患率の高いcommon diseaseであることから、様々な疾病の診療においても重大な影響を及ぼしています。他方、内分泌疾患の罹患率は高くはありませんが、代謝疾患と同様に、全身の諸臓器に様々な影響を及ぼす性格を有しています。このような時代における内科診療を考えますと、様々な臓器の働きを個体レベルで調節している代謝・内分泌系を専門とし、全身を俯瞰するマインドで診療を担っている当分野の役割は決して小さく無いのではないかと考えています。本学の基本理念は、「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」でありますが、この理念を達成できるよう、「全体を捉える幅広い視野」をキーワードに糖尿病・内分泌・代謝内科領域の診療、研究、教育に努力して参りたいと考えております。今後とも御指導、御鞭撻を賜ります様何卒宜しくお願い申し上げます。

分子内分泌代謝学分野 教授 山田哲也