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医学科・大学院医歯学総合研究科(医学系)

教授
助教
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概要

 我が国における在宅医療は、国の施策をはじめ、日本医師会、都道府県・市区町村・郡市区医師会等の関係団体、在宅医療に携わる専門職の各団体の連携のもと、市民への啓発、在宅医療を担う専門職の育成などがなされ推進されています。
 在宅医療は、近年の新型コロナ感染症を含む医療・社会情勢の影響を多大に受けており、本講座では、今後、我が国における在宅医療の展望として重要な、「在宅医療の質評価と向上」、「在宅医療とオンライン診療、Information and Communication Technology(ICT)の利用」、「在宅医療と介護の連携、およびタスク・シフト/シェアを含む多職種連携」などをテーマに研究をすすめていきます。

研究内容

① 訪問診療における医師、患者、同席した家族の会話分析

 訪問診療時の会話データについても、医療コミュニケーション研究の標準的なツールであるThe Roter Interaction Analysis System (RIAS) で量的分析(発話に区切り、医療面接における機能コードにコーディングする)を行い、患者アウトカムとの関連を明らかにする必要があります。
 そこで、訪問診療時の医師、患者、同席した家族の各々の音声データをRIASでコーディングするためのオリジナルコード(在宅コード)を開発し、使用する上での妥当性を検証しております。そして、これまでのRIASコードと、開発した在宅コードを用いて、実際の訪問診療時の会話データの解析を行なっています。

② Multimorbidity高齢者に対する診療アプローチに関する研究

 超高齢社会を迎えた日本では、Multimorbidity(多疾患併存)、「一人の患者において複数の慢性疾患が併存し、中心となる疾患が設定し難い状態」の高齢患者が、在宅医療の現場においても増加しています。欧米においては、総合診療医(英国におけるGeneral Practionerなど)や老年内科医が主体となって、その適切なケアについて議論されています。しかし、我が国において総合診療医、老年内科医によるMultimorbidityの診療の実態は不明です。
 そこで、我が国の総合診療医、老年内科医を対象に、Multimorbidity高齢者を診療する際に診療困難と感じる疾患・患者背景、診療プロセスにおいて重視する臨床要素・対応法、一般的な診療ガイドラインをどの位重視するかなどを調査し、解析を行なっております。

③ 訪問診療における生活習慣病患者の適切な検査頻度についての研究

 高齢化の進展に伴い、訪問診療を受ける生活習慣病の患者は、今後ますます増加することが予想されます。外来診療においては、生活習慣病の患者は受診頻度が高いほどコントロールが安定する可能性が報告されています。しかし、生活習慣病を有する訪問診療中の患者に対して、外来診療に準じたアプローチを行うことは、検査などによる患者の負担や、費用対効果が高くない可能性があります。
 そこで、生活習慣病を有する訪問診療中の患者における、適切な血液検査の頻度について、疾患管理と費用対効果の両面から検討を行っております。

論文業績