教室員それぞれの個性と多様性を尊重しながら、女性に特有な幅広い疾患を対象とするジェネラリストとしての側面と高度で先進的な医療を行うスペシャリストとしての側面の両立を目指し、各専門領域および他施設との連携を重視しつつ、協働して研究・教育を推進しています。
生殖内分泌領域では性ステロイドの代謝、卵胞の発育・排卵の調節機構、精子の機能を司る遺伝子領域の解明、受精・着床における生理と病理、受精卵の新しい評価方法などについて、基礎的および臨床的研究を行っております。周産期領域では妊娠に伴う母体の生理的適応機序、DOHaD仮説検証とメカニズム解明のための母子コホート研究、合併症を有する女性の妊娠分娩に関する臨床的研究などを行っています。婦人科腫瘍領域では増殖・転移に伴う分子生物学的メカニズムや、癌細胞におけるアミノ酸代謝などについて基礎的な研究を行い、浸潤評価のための新規画像診断方法、集学的治療方法の開発、癌サバイバーのQOLなどに関する臨床研究を行っています。女性医学領域では中高年女性で問題となる動脈硬化発生のメカニズム、骨粗鬆症の病態生理などを基礎的、臨床的研究で解明するとともに、食と健康などについて多数の臨床的研究を行っています。
学生教育においては、ブロック講義、プロジェクトセメスター、プレクリニカルクラークシップ、クリニカルクラークシップを通して、女性の生涯における生理的・病的現象の系統的な理解が得られるように、参加型教育、小グループセミナーなどを積極的に取り入れています。臨床研修においては臨床の中から問題点を抽出し、それを自ら解決する能力のある医師を養成することを目標に指導しております。また数多くの教育関連病院と連携しており、豊富な臨床経験が積める体制を整えており、産婦人科専門医取得後はサブスペシャリティー取得や大学院進学などそれぞれの希望に応じて対応しております。