本講座の主体となる生命倫理研究センターでは研究倫理に関する支援体制を構築し、国内の倫理審査委員会のサポートを行っている。さらに医学部附属病院における遺伝子診療科では最新の遺伝子検査の臨床応用や検査受診前後の十分なカウンセリングの提供体制を確立している。また大学院では、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病の原因といわれる動脈硬化症の病態解明および治療法の開発を目指し、最も頻度の高い遺伝病といわれる家族性高コレステロール血症の研究を含めて広範な研究を行っている。
遺伝子診療科の臨床業務に関連して、種々の遺伝性疾患の原因遺伝子解明に関する検査手法の開発、遺伝疾患の個別性と共通性に注目し、職種・領域を超えたチーム医療を実践するためのツール開発としての種々の研究を展開している。
また、実践的研究領域として生活習慣病とくに動脈硬化症や脂質異常症、遺伝性不整脈の病因解明・治療法の開発に関わる基礎・臨床研究も行っている。
遺伝カウンセリングにおいては、実践を通して医療における倫理的側面を考察することで、医療者に関する教育を展開することに意義がある。従って学部においては、実際の最先端医療における倫理的課題について、遺伝子診療科における遺伝カウンセリング症例などを元に講義を担当している。 研究倫理に関しては、昨今の社会状況も鑑み、基礎教育の段階から研究倫理に関する教育を展開する必要性を重視し、学部教育では卒業研究・論文などにおける研究倫理を、大学院教育では、研究者としての第一歩を踏み出す大学院生を対象に、研究倫理について講義を行っている。
遺伝子診療科として、様々な遺伝性疾患の原因検索や疾患の診断・治療についての患者・クライアントからの相談に対応している。当科は臨床遺伝専門医の研修施設に指定され、現在も10名の医師・歯科医師が研修を行っている
2017
Siew-Kee Low, Atsushi Takahashi, Yusuke Ebana, Kouichi Ozaki, Ingrid E Christophersen, Patrick T Ellinor, , Soichi Ogishima, Masayuki Yamamoto, Mamoru Satoh, Makoto Sasaki, Taiki Yamaji, Motoki Iwasaki, Shoichiro Tsugane, Keitaro Tanaka, Mariko Naito, Kenji Wakai, Hideo Tanaka, Tetsushi Furukawa, Michiaki Kubo, Kaoru Ito, Yoichiro Kamatani, Toshihiro Tanaka: Identification of six new genetic loci associated with atrial fibrillation in the Japanese population. Nat. Genet.. 2017.04; ( PubMed , DOI )
Yusuke Ebana, Kouichi Ozaki, Lian Liu, Hitoshi Hachiya, Kenzo Hirao, Mitsuaki Isobe, Michiaki Kubo, Toshihiro Tanaka, Tetsushi Furukawa: Clinical utility and functional analysis of variants in atrial fibrillation-associated locus 4q25. J Cardiol. 2017.01; ( PubMed , DOI )