血管内治療学

概要

血管内治療学分野は脳統合機能研究センターの臨床部門として、脳神経・血流制御センターに設立された。2010年より研究、診療を開始している。血管内治療の対象となる疾患は、脳脊髄及び頭頸部の血管障害、奇形、腫瘍、機能異常などである。これらの疾患に対して、高度な基礎研究・臨床研究を通じて先進医療を発展させる。また脳神経外科、神経内科、耳鼻科、頭頸部外科、救急科など関連診療科との緊密な連携を通じ、治療が困難な疾患に高度な専門医療技術をもって挑み、治療成績を向上させる。これまでの治療実績が評価され日本脳神経血管内治療学会専門医訓練施設として認定されている。

教授

根本 繁

研究・教育について

研究:

(1)  脳血管疾患に対する血管内治療

様々な脳血管疾患で、内科治療、外科治療が困難な疾患に対して新しいデバイスを用いた血管内治療を実施している。本学の患者さんだけでなく本学関連施設や他県からの紹介患者さんの治療に取り組んでいる。頭頚部外科では関連各科と共同で難治性腫瘍摘出術に取り組んでおり、血管内治療科は腫瘍血管を塞栓術で閉塞することにより、術中の出血量を減少させ、安全な腫瘍摘出が可能となっている。多科共同診療体制が極めて円滑に機能している。

(2) 脳血流3次元解析研究

非構造格子系流体解析システムを導入。循環系血流解析や流体構造連成数値解析を行い、対照疾患の病態生理の解明、手術治療効果の判定、新規治療デバイスの開発に応用している。具体的には、脳動脈瘤破裂のメカニズム、コイル塞栓術後再開通の原因を脳血流解析データを元に分析している。内頚動脈狭窄では、アテロームの脳血流に及ぼす影響、ステント治療の脳血流への影響を血流解析により研究している。

(3) 血管内治療トレーニングシステムの開発

自治医科大学血管内治療部との共同研究として、ミニブタを用いたトレーニング用の動物モデルを開発中である。実際のX線透視下でのカテーテル操作、治療用デバイスの操作により血管内治療のトレーニングシステムを完成させる。また脳血管内治療で新しいデバイスを使用する際に動物モデルでデバイスの特性を習熟し、安全に臨床使用するためのトレーニングを行っている。さらに本モデルを用いて血管内治療に必要な新しいデバイスの研究開発を行う。

 

教育

2010年に講座開設したばかりであるが、臨床を重視した卒前・卒後教育を行っている。脳外科、神経内科、救急科とともに大学院内に脳卒中センターを開設し、急性期脳卒中患者に対して高度かつ多角的、横断的な先進医療を提供している。血管内治療科には専属のレジデントは所属していないが、各科のレジデントは血管内治療科との共同診療体制を通じて血管内治療を研修することができる。日本脳神経血管内治療学会認定専門医取得のための指導、教育も合わせて実施している。

また脳神経外科、神経内科、耳鼻科に関連した患者さんの治療を通じて、診断、治療、術後管理を総合的に指導している。

業績1

PRESAT Group: Determinants of poor outcome after aneurysmal subarachnoid hemorrhage when both clipping and coiling are available: Prospective registry of subarachnoid aneurysm treatment (PRESAT) in Japan.  World Neurosurgery 76(5):437-445,2011

業績2

Shojima M, Nemoto S, Morita A, Oshima M, Watanabe E, Saito N. Role of shear stress in the blister formation of cerebral aneurysms. Neurosurgery. 2010 Nov;67(5):1268-74.

業績3

Takigawa T, Matsumaru Y, Hayakawa M, Nemoto S, Matsumura A. Cilostazol reduces restenosis after carotid artery stenting. J Vasc Surg. 2010 Jan;51(1):51-6. 

業績4

Shojima M, Nemoto S, Morita A, Miyata T, Namba K, Tanaka Y, Watanabe E. Protected endovascular revascularization of subacute and chronic total occlusion of the internal carotid artery. AJNR Am J Neuroradiol. 2010 Mar;31(3):481-6.

業績5

Miki K, Ishibashi S, Sun L, Xu H, Ohashi W, Kuroiwa T, Mizusawa H. Intensity of chronic cerebral hypoperfusion determines white/gray matter injury and cognitive/motor dysfunction in mice. J Neurosci Res. 2009 Apr; 87: 1270-81.

Yoshino Y, Takasato Y, Masaoka H, Hayakawa T, Otani N, Yatsushige H, Sugawara T, Kitahashi A, Obikane Y, Aoyagi C: Low incidence of cerebral vasospasm after aneurismal subarachnoid haemorrhage: a comparison between surgical repairs and endovascular coil occlusions. Acta Neurochir Suppl (2008) 104: 337-340

Song JK, Niimi Y, Yoshino Y, Khoyama S, Berenstein A. Assessment of Matrix coils in a canine model of a large bifurcation aneurysm. Neuroradiology. 2007 Mar;49(3):231-5.

Yoshino Y, Niimi Y, Song JK, Silane M, Berenstein A. Preventing spontaneous thrombosis of experimental sidewall aneurysms: the oblique cut. AJNR Am J Neuroradiol. 2005 Jun-Jul;26(6):1363-5.

Shin YS, Niimi Y, Yoshino Y, Song JK, Silane M, Berenstein A. Creation of four experimental aneurysms with different hemodynamics in one dog. AJNR Am J Neuroradiol. 2005 Aug;26(7):1764-7.

Yoshino Y, Niimi Y, Song JK, Silane M, Berenstein A.  Endovascular treatment of intracranial aneurysms: comparative evaluation in a terminal bifurcation aneurysm model in dogs. J Neurosurg. 2004 Dec;101(6):996-1003.

日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究C 研究代表者 根本 繁

日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究C 研究代表者 吉野義一

日本学術振興会科学研究費補助金 スタート支援 研究代表者 三木一徳

血管内治療学

教授:根本 繁 講師:吉野義一 助教:東森俊樹、三木一徳 

TEL: 03-5803-4088 FAX: 03-5803-0384

Email: 血管内治療学 医局 ikyoku.evs at tmd.ac.jp